昨日、奈良女子大附属中学校の令和3年一般入試の出願者数が発表されました。
男子・・・224名 女子・・・301名
というものでした。これは、昨年に比べ、男子は31名少なく、女子は9名少なくなっており、全体として40名の減少となっています。
ご存知の通り、奈良女子大附属中は、中学受験解禁日から5日後の入試となるため、実際の受験者は出願者数から少なからず減少します。この減少幅ですが、直近の5年間平均を求めると、男子42名、女子37名となっております。よって実際の受験者数予測は・・・と普段なら進めるところなのですが、今年は例年通りにいきそうにはありません。
コロナ禍の影響により、大教大附属天王寺中学校の入試が縮小され1日入試となったため、合格発表が2日早められ水曜日発表となったからです。
これにより、奈良女入試の前日に附天中の合否結果が分かってしまうため、
附天中合格者で、附天中が第1志望の受験者は、奈良女入試を欠席する可能性が高くなります。
このため、今年は例年以上に、学力上位者層を中心にして実際の受験者数は、出願者数から大きく減少します。今まで経験したことのない奈良女入試になりそうです。
では、どの程度の受験者数になるのでしょうか。
附天中合格者のうち、40%の生徒が奈良女を併願しているとして、その半数が奈良女入試を欠席したと仮定すると、令和3年の奈良女入試の受験者数は
男子・・・224-42ー62×0.4×0.5=約170名 女子・・・301-37-46×0.4×0.5=約255名
となります。直近5年間の受験者数の平均が、
男子・・・210名 女子・・・296名 となっており、
これと比較してみても大きく減少していることがわかります。男女とも今までの奈良女入試の中で
最も少ない受験者数になりそうです。
次に競争倍率ですが、奈良女子大附属中学の合格者数は年度によって大きく異なります。附属小からの連絡進学合格者数は、ほぼ安定しているのにもかかわらず一般入試の合格者数は、安定しているとは言いにくい状況です。
年度によって10人以上の差が生まれてくるのは、奈良女の内部事情としか言いようがないのですが、附天中の合格者が奈良女入試を欠席すると考えた場合、合格辞退見込み数を減少できるため、今年度の合格者数を減らすことも考えられます。ただ、附属小学校からの連絡進学入試合格者が、
男子・・・15名(前年比ー3名) 女子・・・19名(前年同数)
となっており、一般入試男子合格者数を減らしにくい状況でもあります。
令和3年の奈良女一般入試の合格者数を、ここ数年で最も少なかった昨年と同数と考えた場合
男子・・・59名 女子・・・57名
となります。これにより競争倍率は、
男子・・・2.9倍 女子・・・4.5倍
となります。一般的な中学受験の実質倍率としてみると、かなり厳しい印象をもつ数値ですが、奈良女入試としては易しいものと言えます。
ただ、このままだと近年収まりつつあった男女格差が再び鮮明になってくるので、男子の合格者数を減らし女子を増やすという操作を行う可能性は十分にあり得ます。