奈良女子大附属中学校の令和4年入試がどのようなものになっていくのかを占っていくうえで、令和3年入試までの流れを確認したいと思います。令和3年入試は、ここ数年で最も厳しいものであったと言えるかもしれません。まずは、競争倍率をご覧ください。
上記グラフからもわかるように、受験者数は減少傾向に転じています。これは、他の国立中学校にも見られることで児童数の減少による自然流れといえます。ただ、奈良女の特異なところは、合格者数が年度によって大きく変動するということです。附属小学校からの合格者数はほぼ一定しているので、大教大附属平野中学校のように、内部進学を希望する生徒の人数に左右されて変動しているものではないということです。
では、なぜこうも年度によって合格者数に隔たりが出るのでしょうか?
奈良女には明確な基準がなく、在校生の人数や出願者数などを鑑みて、副校長の裁量で判断しているからではないかと考えます。令和3年入試の合格者数が極端に少なかったのは、合格発表の時の合格者数を最小限にとどめておき、辞退者数に応じて追加合格を出していくという他の国立中学校と同様の手法に切り替えたからではないかと考えます。
令和3年入試に注目してみます。
合格者数は、男子52名、女子43名となっており男女とも近年で最も少ないものでした。受験者数も男子188名、女子249名で最も少なかったのですが、それでも競争倍率は、男子3.6倍、女子5.8倍と男女ともかなり狭き門となりました。
この流れを受けての令和4年入試がどのようなものになっていくか。次回のブログでじっくり検証したいと思います。