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【ひのき塾 北見の教育エッセイ】 奈良 教室

2024.05.17 お知らせ

【ひのき塾 北見の教育エッセイ】 

 

〔第3回〕 奈良女子大附中の生徒会長より 

         ※今回、ボリュームが多くなります。ご了解ください。

 

 

奈良女子大学附属中等教育学校3年、前期生徒会長のA(←寄稿時は実名)です。私はひのき塾に小5の冬から約1年通い、奈良女に合格しました。

私が今生徒会長をしているのは、北見先生が「生徒会長なったら?」と一言言ってくださったのと、ひのき塾生で当時女子大の生徒会長だった先輩が生徒会や学校生活について話をしてくださったことがきっかけとなっています。こんなにも自由で楽しそうな学校で生徒会長をしたら何ができるのだろう、どんなに楽しいことが待っているのだろうと、受験生時代から生徒会長を志していました。

奈良女は生徒の自主性を重んじる校風な為、多くの行事を生徒が計画、企画、運営します。私は入学当初から生徒会長になるなら「仕事ができることとリーダーシップがあることを示し、学年で目立つ存在にならないと!」と、様々な行事の運営に携わってきました。今思えば、入学当初からそんな風に計画する必要はなかったと思いますが、その経験から自分の力を伸ばし、成長することができました。

私が「自分の長所は?」と問われたら、いつも真っ先に思い浮かぶことがあります。それは、論理的思考力です。そしてこの力のルーツが、ひのき塾での表現社会、論述です。

表現社会での論述課題は、時事問題や社会問題について自分の考えや、新たな対策を考え文章にするというものです。ここで私は、自分の頭の中を文字に書き起こし、問題解決に向けて筋の通るように組み立てて文章化する力を身に付けました。これは受験が終わってからも変わらず、今でもなにか課題や問題について考えるときに自分の意見を組み立てる根幹となっています。

ひたすら考えを書き起こして問題解決を試みる方法は、先ほど述べた行事の運営や生徒会での企画作りに大いに役立っています。一つの課題から、その原因、原因を取り除くための策、メリットなどを考えどんどん紙上で展開していく。そして今自分たちがするべきことを見つけていく。この力は受験や学校だけでなく、この先ずっと必要になると思っています。そして、それを伸ばすためのカリキュラムは学校自体にも多くあります。しかし、その力を入学前に塾で拙くとも身に付けられたことによって、学校での企画運営などでさらに力が伸び、自分の成長に貢献していると思っています。

ひのき塾で、ただ知識や入試に向けてのテクニックを教わっただけとは思いません。当時、将来についてたくさん考え、先生たちと対話し、同じものを目指す同志の熱を感じたことで、今の自分や学校生活があると思います。もちろん授業や模試の結果も大事ですが、受験生として、塾という(ある意味)日常とは違った特殊な空間で過ごす、すべての瞬間が、ふとしたきっかけで将来に繋がり、自分を形成する大事な部分になると、身をもって体感しました。人生の長いスパンにおいて、中学受験に向けて塾に通う受験生の期間は長くても3年ほどですが、その時期に自分にとって大切な力や視点が見つかると思っています。それを更に磨くのが(受験した結果)入学した学校なんだと思います。

受験勉強のきっかけは、「志望校に合格したいから」かもしれませんが、塾に通っていたら自然とその学校が必要とする人材になっていくのではないかと、振り返ってみて気づきました。

 

奈良女子大学附属中等教育学校3年 A

 

~ここより北見の執筆~

 

私がひのき塾で勤め始めて9年が経ちます。

思えば、結構早い段階で、「この塾でなら、自分の思い描く教育ができそうです」と塾長に話をしたものです。

「思い描く教育」とは何か。

子どもたちは千差万別のため、一つの言葉でお伝えすることは難しいのですが、私の根幹となる考え方をまとめてみるとこのようになります。

 

志望校合格という目標を柱に据え、学力の向上のみならず、子どもたちが日々の学習を通して、「今の自分は何をしなければいけないのか」、「何ができるのか」、「どこまでできるのか」、「どうすれば継続できるのか」と、自分の今を自分で見つめてもらう。

子どもたちが自分の今を見つめるにあたり、多くの気づき、多くの視点、多くの立場があることを投げかけるとともに、どのような未来を子どもたちに託すのか、どう生きることを求めるのか、こういった話を先人として多く語る。

そして、子どもたちが自分の生き方を考える参考になれるよう、私自身が子どもたちに見られているという意識で日々を過ごすこと、子どもの目線に降りて話すのではなく、理由をしっかり説明して今の私の等身大の思いや考えを語ること。

子どもたちに夢を語らせる前に、大人である自分も、夢を描いて生きていることを伝える。

 

 

私自身が生き方を正すことで、子どもたちの未来が大きく変わると信じ、日々、子どもたちと向き合っています。

子どもたちそれぞれの未来が上向けば、社会全体の意識が上向きますよね。

そんな、お手伝いをすることが、この仕事の魅力です。

 

そういう思いを胸に秘め、ひのき塾の子どもたちと向き合ってきました。

とりわけ奈良教室では教室長・副教室長として7年間関わり、その間、奈良女子大附中や大教大天王寺附中などに多くの子どもたちが進学してくれたのですが、進学しただけでなく、先述の私の思いが、今、明らかに形となって現れ始めました。

 

3年前、当時中3の女子大附中に通うB君(小5から通塾)が生徒会長に立候補しました。

同じ学校に通うみんなにとって快適に通学できる学校づくりに貢献したい、との思いからです。

聞いたところ、副会長や書記は1人しか立候補者がいない信任投票だったのですが、生徒会長だけが2人立候補して、決戦投票になったのです。

しかも、その相手(C君とします)は、同じくひのき塾奈良教室で共に学んだ仲間でした。

授業中も熱気があり、とても仲のいい学年で、真の「仲間」なのです。

投票日の前に、B君のお母さまがひょっこりと塾に顔を出してくださり、そのことについていろいろとお話をしてくれました。

「本当はC君と一緒に生徒会をやりたかったこと。」

「でも、自分は会長としてやりたいことがあるということ。」

投票日の後、私は「どうやった?」とB君に尋ねたら、「当選しました…」と元気のない声で返事をしてくれました。

私はそれ以上何も聞けませんでした。

 

そして、数日前のこと。

高3になったB君(現在も通塾中)にふと聞いてみました。

「高校部では生徒会やらへんの?」

「僕はやりませんでしたが、Bが生徒会長をやってます」

その言葉に、私は心の中で涙が溢れかえってたまりませんでした。

 

自分の信念を貫き通す強さと、仲間を思いやる熱い気持ち。

私が日ごろから子どもたちに伝えていることは、自分を強く持つということです。

そのためには、自分でできることは全部自分ですること、どれだけ失敗してもいいからチャレンジしてみること、一度始めたことは(途中で形を変えてもいいので)続けてみること、このような話をずっとしています。

それを「勉強」を通して具現化してもらっています。

しかし、「仲間を大切にしろ」とは言ったことがありません。

自分の力で自分を高めた子どもは、同じように自分を高めた相手のことも尊敬できるのです。

だから、自分の考えを他人に譲ることもなければ、他人の考えをへし折ったりもしません。

受験というイベントが、個人の成長に一役も二役も買っているのでしょう。

 

 

さて、話は今から2か月前。

現在、女子大附中に通う中3のAさんから、「生徒会長に立候補しました」と一報をいただきました。

彼女が小6の時に、エネルギーの高さを感じた私は、「女子大で生徒会長やったら?」とふと伝えた言葉が現実になるのですから不思議なものです。

いや、不思議を通り越して、子どもたちの力をよりよい方向へと導くことが、私たち大人の役割だと痛感します。

 

ところが、彼女がもう一つ言うには、

「もう1人の会長候補がD君なんですよ」
D君は3年前にAさんと受験勉強を共にした仲間です。

 

忖度しない子どもたちの生き方。

ほんとうにみんな美しいですね。

そして、ここに書いた子どもたちだけでなく、ひのき塾から育っていく子どもたちみんなが、将来の社会を誰にとっても暮らしやすい、そして自己実現のできる世の中にしていってくれる。

それが、夢ではなく、もはや確信へと変わってきています。

 

子どもたちに夢を語り、子どもたちの得意とする力を伸ばし、子どもたちに未来を託す。

これは、ひのき塾だけでなく、すべての塾、学校、習い事教室、地域のこども会、そして各ご家庭、子どもたちに関わる大人の使命であると感じています。

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